入院や手術のあとで、医療費の明細を見て「これ、どこへ申請すればいいんだろう」と迷う方は多いと思います。制度の名前が似ていて、窓口がどこなのかがつかみにくい。
厚木市を担当する地域情報メディア『厚木のじかん』のエリアライター、櫻井ひでひこです。わたし自身も家族の通院が続いたとき、同じように迷った経験があります。
この記事では、申請先が「加入している保険によって変わる」という入口の整理から、厚木市で実際に向かう窓口、事前と事後の手続きの違いまで、順を追ってまとめます。
まず確認したい、今加入している保険
迷いやすいのが、申請先を「市役所かどうか」で考えてしまうことです。高額療養費の申請先は、加入している健康保険の種類によって変わります。
自分がどの保険に入っているかは、手元にある保険証(またはマイナ保険証)の発行元を見ると分かります。
- 国民健康保険(国保)
-
厚木市役所の国保年金課が窓口です。
- 後期高齢者医療制度(75歳以上など)
-
同じく市役所ですが、担当係が長寿医療係に変わります。
- 会社員・公務員の健康保険
-
勤務先の健康保険組合や協会けんぽへの申請になります。
保険証の発行元が「厚木市」なら市役所、勤務先の組合名や「全国健康保険協会」なら、そちらへ問い合わせる流れになります。
厚木市役所が窓口になるケース
厚木市の国民健康保険に加入している方は、市役所本庁舎1階2番窓口の国保年金課 国保給付係へ申請します。開庁時間は平日8時30分~17時15分、土曜は8時30分~12時です。
申請書は原則として、診療月の2か月後の月末ごろに国保年金課から送られてきます。届いてから提出する流れで、申請した翌月下旬に指定口座へ振り込まれます。
後期高齢者医療制度(75歳以上など)の場合は、本庁舎2階の長寿医療係が担当です。ただしこちらは土曜の窓口が閉まっているので、平日に動くほうが確実です。
勤務先の健康保険に申請するケース
会社員や公務員として勤務している方、または家族の扶養に入っている方は、加入している健康保険組合または協会けんぽへ申請します。市役所には行きません。
組合によって申請書の書式や提出方法が異なるため、まず勤務先の総務・人事担当に確認するのが早い。自分の手元にある保険証を一枚出して、発行元を見てみるだけで、最初の一歩になります。
高額療養費と限度額適用認定証の違い
制度名が似ているので混同しやすいですが、目的が違います。
- 高額療養費
-
支払ったあとに、上限を超えた分を払い戻してもらう制度です。
- 限度額適用認定証
-
支払う前に提示することで、窓口での支払いを上限額内に抑える証明書です。
入院が決まっているときは、事前に限度額適用認定証を申請しておくと、窓口での高額な一時支払いをそのまま避けられます。
すでに支払いが終わっている場合は、高額療養費の申請で払い戻しを受ける形になります。どちらも申請先は加入している保険と同じです。
申請前に手元で確認しておきたいもの
国民健康保険の高額療養費を申請する際に必要になるものを整理しておきます。事前に確認が必要な書類です。
- 国保年金課から届いた申請書
- 世帯主の本人確認書類(またはその写し)
- 振込先が分かるもの(世帯主名義)
- マイナンバーを確認できる書類
- 代理申請の場合は委任状
健康保険組合に申請する場合は、組合によって必要書類が異なります。診療明細書や領収書が求められることもあるので、捨てずに保管しておくと後で動きやすいです。
対象にならない費用の考え方
高額療養費で払い戻されるのは、保険が適用された診療費の自己負担分だけです。差額ベッド代や入院中の食事代は制度の対象外。ここ、意外と見落とされやすいところです。
先進医療や自由診療の費用も対象外です。入院の請求書を受け取ったとき、どの部分が保険診療でどこがそれ以外かを確認しておくと、後から混乱しにくいと感じています。
世帯合算で迷いやすい部分
同じ世帯で複数の家族が国民健康保険に加入していて、それぞれ医療費の自己負担があった場合、一定の条件のもとで合算できる制度があります。
ただし、70歳未満の方は同月内に2万1千円以上の自己負担がある医療機関分だけが対象。小さな医療費は合算の計算に入らない仕組みです。世帯の状況で変わるので、まず国保給付係に相談する方が確実です。

家族分を合算できるかどうかは、窓口で確認するのが一番早いです
申請が遅れたときの見方
高額療養費の申請には時効があります。診療月の翌月1日から2年を過ぎると申請が受け付けられなくなります。
入院後しばらく経ってから「そういえば申請していなかった」と気づくことがあります。わたし自身も家族が退院したあと、手続きが後回しになってヒヤっとした経験があるので、退院のタイミングで一度確認しておくと安心です。
よくある勘違いと確認しておきたいこと
「市役所に行けば何でも申請できる」と思われがちですが、会社員の方が市役所の窓口に行っても、国民健康保険以外の手続きはできません。申請先を間違えると、また別の場所に出直すことになります。
先に結論を言うと、保険証を一枚確認するだけで、向かうべき窓口がはっきりします。急いでいるときほど、ここだけ先に見ておくと動きやすいですよ。
制度の利用に向かないケース
全額自費診療(自由診療)で受けた治療や、保険適用外の医薬品・サプリメントの費用は、高額療養費の対象にはなりません。
また、医療費控除(確定申告での税の仕組み)と混同されることがありますが、これは別の制度です。払い戻しではなく税額の計算に関わる話なので、目的に応じて使い分けることになります。
公式情報を確認するときの見方
厚木市の国民健康保険と後期高齢者医療の情報は、厚木市公式サイトの「国保年金課」ページにまとまっています。
「厚木市」「○○健康保険組合」など、発行元の名称を確認します。
国保なら市役所、組合や協会けんぽならそちらへ確認します。
届いた申請書と本人確認書類などをそろえて提出します。
制度の内容や必要書類は改定されることがあるので、窓口に電話で確認してから動くと無理がありません。国保給付係は046-225-2120、長寿医療係は046-225-2223で受け付けています(いずれも公式情報で確認のうえ、最新の内容をご確認ください)。
今日できる一歩として手元に残すこと
保険証(またはマイナ保険証)の発行元を一度確認して、「国保なら市役所1階、後期高齢者なら2階、組合なら勤務先」とメモに残しておくだけで、次に動くときに迷いがかなり減ります。今日、財布の中の保険証を一枚取り出してみるだけでいい。
わたし自身、家族の通院が重なったとき、手続きを後回しにして期限ぎりぎりになったことがあります。そのとき「最初に保険証の発行元だけ確認しておけば良かった」と感じました。急いでいるときほど、一番最初の確認が後の動きを楽にします。
入院後や手術後は気力も時間も削られがちです。まず「自分はどの保険か」だけでも今日確認しておくと、ご家族の分も含めて少し落ち着いた気持ちで動けるはず。この記事がその一歩になったら、うれしいです。













